悲恋-HIREN-
文化祭も終わり、あたしと春日は病院に向かってる。
「楽しかった?」
「紗和のおかげだな。」
春日は凄く楽しそうに歩いてる。
けど病院に着いたらまた離れなきゃいけなくなるんだね。
「紗和、どうした?
悲しそうな顔すんな……。」
「春日ぁ………離れたくない………。
また春日のいない学校生活が始まるんだって思うと………。」
そう言うと春日はあたしを抱き締めた。
「これから病気と戦ってくと紗和を抱き締めることはできなくなる。
紗和がいる学校にも行けない。
それでも一緒に居てくれて感謝してる。」
「ふふふ………最後みたいなこと言わないでよ………。
あたしは春日が病気でも関係ないと思ってるよ?」
あたしは春日が生きてるだけで嬉しいんだよ。
けどそう思っていても離れたくないって気持ちはどうしても消えない。
わがままだから…………。
「いつも我慢してくれてありがとな。
俺、治せるかもしれない。」
…………え?
どうゆうこと?
治らないって医者が言ってたはずじゃないの?
「俺、手術受けることになったんだ………。
一ヶ月後、外国に行く。」
「………外国?」
「あぁ。
それからリハビリとかもあるから3年は帰ってこれない。
まず成功する確率は少ない。」
春日は悲しそうに言う。