悲恋-HIREN-
「じゃぁ紗和!
ばいばい♪」
あたしは校門のとこで那智と別れた。
そして春日がいた病院に通うことがなくなり代わりにある場所に通うことになった。
病院とは反対方向に歩く。
「あ、紗和!!
おせーんだよ。」
いつも迎えに来てくれる奴。
最近まで苦手だったけどなんだかんだ優しいんだよね。
「隆太!!」
隆太から春日の情報を聞く。
「早く行くぞ。」
「はーい♪
隆太、春日から何か聞いた?」
いつもこんな風に隆太に会う。
「何も……。
つか、また泣いた?」
隆太は心配そうにあたしの顔を覗き込む。
変なところはよく見てるんだよね………。
実はさっき少し泣いた………。
やっぱ信じてても辛いんだよね。
「………どうしたらいいんだろう。
毎日、泣いてばっかり………。」
「仕方ないだろ。
春日だって同じなんだし。」
隆太はあたしの頭を撫でながら言う。
隆太はきっと春日にあたしのことを任されたんだと思う。
そのままあたしと隆太は喫茶店に着いた。
実は隆太と一緒にバイトを始めた。
お金を貯めて春日に会いに行きたいから。
隆太もあたしが行くとき付き添ってくれるから一緒にバイトをしてくれるらしい。
実は1人じゃ心細かったから隆太がいてくれて安心した。