悲恋-HIREN-
バイトにはだいぶ慣れ始めてきた。
隆太は可愛い女の子がたくさん来るから良いとか言って毎日はりきってる。
あたしも可愛いメイド服を着れることは滅多にないから少し楽しい。
それに優しいバイトの先輩にも出会えたし。
「紗和ちゃん、休憩しよ?」
先輩の名前は海里先輩。
かっこいい彼氏もいて毎日迎えに来てもらってる。
優しいし綺麗だから憧れてるの。
「隆太くん、今日もはりきってるねー?」
海里先輩は隆太を見ながら話す。
あたしたちは喫茶店のメニューを見ながら休憩してる。
バイトは結構自由で休憩の間はメニューを選んでいいし。
あたしと海里先輩はケーキを頼んだ。
「海里先輩、彼氏とはどうなんですか?」
なんとなく聞くと海里先輩の顔は急に真っ赤になった。
「あ、何かあったんですね?」
「卒業したら同棲するって約束したの…………。」
「えぇ!?
さすがですね♪」
すっごくラブラブなんだ♪
そういえば海里先輩って………
「海里先輩が昔、不良だったって本当なんですか?」
那智に海里先輩のことを話したときそう聞いた。
「え、……あぁ。
まぁね?けど雅哉に会って変わったんだぁ♪」
海里先輩は笑顔で話す。
その顔はとても幸せそうで充実してた。