悲恋-HIREN-




それからあたしと那智は授業をすべてサボることにした。



那智が

「春日くんのこと心配で授業できないんでしょ?」


そう言ってくれたからその言葉に甘えた。




「いつ手術終わるんだろうね?」



「わかんない。

電話だってくるかわからないし。」



いくら待ってても電話がこない可能性だってある。



「あたしは春日くんが電話してくれると思うけどなぁ。

だってさ、好きなんでしょ?」



「じゃぁ来たら奢ってね♪」



「祝ってあげる〜♪」




那智のおかげでまた元気がでた。


那智に奢ってもらうぞ!!



ピルルルル



そう誓った瞬間、非通知で電話がきた………。



「……え、ど、どうしよ……」



………………春日なの?



「出なよ!

春日くんかもしれないよ?」



けどいざそうなると出にくいな。



「もう………


貸して。」



那智はあたしの手から携帯を取り、電話にでた。



「もしもし?

………え、あ、はい!」



那智は急いで電話から耳を話し携帯を渡された。



「も、しもし………?」




「紗和ちゃん?」



その声はあたしが聞きたかった声ではなかったけど嬉しい声だった。



「おばさん………!」



春日のお母さんの声だった。

手術が失敗したからおばさんが電話してきたの?







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