悲恋-HIREN-
あたしは春日がいるから生きてるんだ。
あたしが生きる意味は春日なんだよ………。
春日がいないとあたしは生きる希望を失う。
「春日、大好きぃ……!」
「紗和、いつか病室じゃなくて別のところで楽しく話したいな。
俺は…………愛してる。」
『愛してる』
そんな言葉、あたしにはもったいないよ………。
だってあたしはただ待つことしか出来ないのにこんなに愛されていいの?
「やっぱ…………
俺が我慢出来ないな。
明日にでも電話する。」
「うん………。
頑張ってね?」
「うん。
じゃぁな!」
そうして電話は切れた。
「紗和、良かったじゃん♪」
那智があたしの頭を撫でながら言う。
あたしは黙って頷いた。
「じゃぁ那智様が奢ってやる〜!」
「やったぁ♪」
今日は良いことばかりだ♪
空を見上げると遠くのほうがオレンジっぽくて幻想的だった。
あたしの心みたいに………
嬉しくて
涙を流したり
悲しくて
涙を流したり………
その全てが貴方への
愛情表現であって
初めてのことばかりなんだ。
今度は幸せすぎて
たったこれだけで?って
思うけど……………
あたしにとっては
小さなことでも
大きいことでもないんだ
ただ貴方の存在が
あたしをふんわりと
優しい光で包み込む……。
それだけで嬉しいんだ。