悲恋-HIREN-



「紗和、おはようさーん。」



急に後ろから挨拶された。



「優介(ユウスケ)!!」



優介とは同じクラスメートで将希の親友。

大阪弁のせいかいつもムードメーカーなんだよね。



「おはよー、優介!」



「空は飛べへんよ?」




「聞いてたの!?」




恥ずかしい…………!!


優介はバカにしたように笑う。



「優介、紗和をバカにしないでよ。」



「すまん、すまん♪

なんで機嫌よかったん?」



「え?

べ、別に!」




やっぱ春日のことは簡単に話すことはしたくないし………。


あたしは話すのをやめた。



「ふぅ〜ん?

あ、将希!」



優介は将希がいることに気付いたのか将希のところへ行ってしまった。



「紗和ぁー、優介って絶対紗和のこと好きだよー!」



那智は興奮しながら言う。


優介があたしのことを好き?

そんなわけないのに………。


それにあたしには春日がいるし。








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