悲恋-HIREN-
あたしは急いで携帯を開く。
電話の相手は非通知………。
けれどあたしの頭の中は春日しかいない。
あたしは電話に出た。
「もしもし!?」
『──……紗和?』
春日の声…………。
昨日聞いたばっかりなのに寂しくなってる自分がいる。
「かすがぁ〜………」
あたしは思わず半泣きになりながら春日の名前を呼んだ。
「紗和……!!」
那智が小声であたしの名前を言い、優介と将希がいることを目で合図してきた。
あたしは立ち上がり奥に行くことにした。
「春日、おはよ♪」
『おはよう。
勉強はちゃんとした?』
「したよ〜!!
…………嘘。ずっと携帯が気になって仕方がなかったよ。」