悲恋-HIREN-
『はっはっはっ!!
まじかよ。俺のせいか!!』
春日のせいだよ…………。
あたしの表情を左右するのはいつも春日なんだよ。
「紗和、もう少しでお昼終わるでぇ?
電話はやめてとっとと食べなぁ。」
後ろから優介の声………。
そんなに大声出したら春日に聞こえるのに………。
「紗和、今………何やってんの?」
その質問はあたしを怪しんでる証拠だね………。
「今、クラスメートとお昼食べてるの。
こないだ文化祭で会った将希と那智。
それと今のが優介って子。」
嘘はついてない………。
つく理由がないから嘘はつかない。
信じてくれるって思ってるから。
『そうなんだ?
優介って人、大阪弁なんだな?』
「うん!
すごいよね♪」
春日はあたしのこと信じてくれた……………。
よかった。
「春日、……………
電話番号知りたい…………」
「……………いいけど?」
意外とあっさりOKをもらい電話番号を教えてもらった。
これからはあたしからも電話できるんだ………。
そして電話は切れ、あたしは那智たちがいるところへ帰った