悲恋-HIREN-




「さーむーいー!!」



冬に海の近くは寒い…………。



「ったく。

しゃぁないな。ほら。」



そう言い、優介は自分が来ていた上着をあたしに着せてくれた…………。



「…………ありがとう。

優介、これ。」



あたしは那智と買い物に行ったときに買った優介へのプレゼントを渡した。



「…………なに?」



「開けてみて。」




優介は箱を開け始めた。



「…………時計?」



そう。

あたしが優介に似合うと思って買ったものは時計。


ブランドでもないし特別高いものでもないけど。



シルバーと黒のシンプルな時計をあたしはプレゼントに選んだ。



「あ、あのね!?

高いものじゃないけど優介に似合いそうだなって………。」




「…………さんきゅ。」



そう言った瞬間、あたしは優介の腕の中にいた。



「優介……………?」




びっくりしたけど暖かくて心地いい。






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