悲恋-HIREN-




それからのあたし達四人は今まで以上に一緒にいることが多くなった。


けれど……………


─────……‥




「ただいまぁー。」



「お帰りなさい。

春日くんが来てるわよ。」



あれから春日は日本で治療することを決断したらしい。

元々、あたしに治療しているところを見られたくなかったから外国に行ったんだてお母さんに聞いた。




あたしは春日がいることを知ったため、客間へ向かう。


あたしの家は一軒家にしては結構広いほうだから客間があるんだよね。



客間のドアを開けると春日がいた。



「紗和、お帰り。」



「ただいま。今日は何しに来たの?」




「ん?

ただ遊びに来ただけ♪


学校は楽しいか?」




春日は高校に行けてないからいつも聞いてくるんだよね…………。

あたしは一番春日の近くにいたからその辛さはわかる。



「楽しいよ………。


春日も早く治療が終わるといいね。

そしたら同級生だよ!」



「あと三ヶ月後には学校に行ける。


ちょうど2年の時か………。」




あたしが2年のとき………


春日が学校にいるんだ。


嬉しいけど切ないよ…………。




優介がいるのにあたしは春日を否定することができない。



「俺さ、紗和が好きだよ。


今まで寂しい気持ちにさせてたならこれからは倍に幸せな気持ちにさせてやりたい。

優介とかいう奴を紗和が好きなら俺は静かにお前を見守る。


これからずっと紗和の近くにいる………。


俺の存在理由が紗和だから病気にだって勝てたんだ。


だから戻ってこいよ………。」







< 61 / 104 >

この作品をシェア

pagetop