悲恋-HIREN-
春日side
紗和、お前が優介とかゆう奴連れてきた時本当に悲しかったんだ。
けど今も俺に笑いかけてくれるのはまだ………
それとも優しさか?
───……‥
「こら、春日くん。
しっかり治療に専念しないと。」
今、俺はリハビリ中だ。
早く紗和のいる学校に行きたいから。
この人は美紗子さん。
リハビリ担当のナースらしい。
「美紗子さん、恋って難しいですね。」
俺の急な一言に美紗子さんはキョトンとした顔をした。
そして優しい顔になった。
「恋は難しいけど
頑張ればきっと届くもんよ。
今が違う道でもきっとどこかで繋がってるってよく言うけど…………
私はね?
追いかけっこしてるだけなんだと思う。
元々、みんな同じ道にいてただリズムが一緒なだけなのよ。
だから春日くんのリズムが相手のリズムに合うときが必ず来るはずよ♪
そのとき、恋が叶うもんなのよ。
頑張って歩いて行きなさい。」
……………美紗子さん。
餓鬼の俺にはよくわからないけど。
なんとなく伝わった………。
「ありがとうございます。」
美紗子さんの言葉に少し元気をもらえた気がした。
───────────end─