悲恋-HIREN-




「さぁわ♪

優介とはどう?」



教室に戻ると那智があたしのとこへ来て聞いてきた。




この頃の那智はまるで昔に戻ったように男遊びが酷くなった。

かといってあたしは那智から離れるつもりはない。


だって那智は那智だと信じてるし今だってあたしと優介のことを心配してくれる友達だから………。


時々心配になるけど、きっと大丈夫。




「順調だよ♪」




「良かったじゃん♪」




那智はまるで自分のことのように喜ぶ。


この瞬間だけは前と変わらない。




「将希!遊ぼうや♪」




優介は将希をこっちに呼ぶ。


将希と那智はあまり話さなくなった。

きっと那智の男遊びを知り、将希は離れたんだと思う。




「将希、今日四人で遊ぼうよ♪」




「いいけど………。」




「あ、ごっめーん♪


今日、約束あるんだ!」




那智はそう言い、早退していった。



早退してまでの約束ってなんだろう………。




「那智、ばいばい!」




「紗和、ばいばい♪


明日ねー!!」




那智は帰っていった。








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