悲恋-HIREN-
………………バチン!!
頬が痛い………
ヒリヒリする。なぜ?
「あ、ごめんな!?
つい叩いてもうた……。
ほんまごめんな?痛いか?」
「ううん…………。
じゃぁあたし先に行くね?」
「あぁ。
じゃぁ後でなぁ?」
あたしは優介と将希に手を振り、学校へ走った。
将希は微妙な顔をしてた……。
きっと優介があんな人だって知ってたんだ。
あたしはとにかく走って教室まで来た。
「紗和?
どうしたの!?」
走ってきたあたしを見て那智はすごく驚いている。
「なんにもないよ……。
ただ那智と一緒にいようと思って……。」
「紗和、大丈夫?
ほっぺどうしたの?
腫れてる……。」
那智が鏡を見せてくれた。
そこには涙を流して頬を真っ赤に腫らしたあたしがいた。