悲恋-HIREN-
「うぅ…………那智、どうしよう。」
あたしと那智は今、あたしの家でバレンタインに渡すおかしを作ってます。
那智は簡単なものにしたらしくすぐに出来た。
あたしは凝ったものにしたためか全然できないしできたとしても失敗ばっかり。
「紗和って料理得意じゃなかったっけ…………?
前、優介にお弁当作ってきてたのに。」
そう。
あたしは確かに料理は得意。
だけどお菓子は別だよぉ!!
「那智…………
あたしどうしよう。」
「とにかく成功するまで作るしかないでしょ。」
ガチャッ
「紗和、俺のお袋がさぁ…………。」
ちょうどいいところに春日が来てしまった。
「春日くん!?
久しぶり〜♪」
那智は文化祭以来のためむちゃくちゃテンション高い。
「えっと那智ちゃんだっけ?
紗和、なに作ってんの?」
春日はあたしの隣に来て失敗したお菓子を見る。
明らかに飽きれ顔………。
そんな目して見ないでよ。
あたしだって……………
「紗和、なに泣いてんだ?
上手いけど。」
あたしはいつのまにか泣いてて
春日はいつのまにか失敗したお菓子を食べてた
「無理しなくていいよぉ……。
不味いもん。
食べないでよぉ………。」
「まじで美味いから♪
紗和、めちゃくちゃ頑張ったんだなぁ。」
春日はあたしがお菓子作り苦手なことを知ってる。
だから優しく言ってくれるんだ。
「けど……………。」
「まぢで美味いから。
全部食べていい?」
「…………え。
食べてくれるの?」
そう聞くと春日は笑顔で頷いた。