悲恋-HIREN-







「春日くん、まじで全部食べるつもりなの………?」



あたしたちは今、ソファーに座りおやつタイム。

春日はあたしが作ったお菓子を食べてくれてる。



作った本人が不味いって言ってるのに春日は美味しいと言いながら食べてくれてる。




「美味いけどなぁ。」



本当は不味いのに無理して食べてくれるなんて………



「なんでお菓子作ってたんだ?」



「あ………


もうすぐバレンタインだから練習してたの。」




そういうと春日の手が止まった。




「どうかした……………?」




「あー…………


俺が食べて良かったのか?」




………………え?




「紗和の彼氏に食べてもらったほうが良かったんじゃないのか?


なのに俺が食べちゃったし。」



そのことか…………


あたしは春日にも食べてほしかったから良いのに。



「春日くん、紗和はもともと春日くんに渡すつもりだったんだよ♪

だから春日くんが食べても良かったの。」



「…………え……」




「ちょ………那智!


余計なこと言わないでよ!!」




なんで言っちゃうのよ〜!

それじゃぁあたしが春日に未練あるのわかっちゃってるじゃん!!




もう最悪……………



春日は黙っちゃったし。






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