悲恋-HIREN-
「黙っといたほうが良いと思うけど?」
次の日、あたしは学校で那智に相談した。
もちろん優介に知られないように女子トイレで。
「けどバレたときが怖い……。」
「あぁ………。
男ってそんなもんだって♪」
那智には優介があたしを叩いたってことを言ってない。
だって言ったら心配しちゃうし那智が好きな優介でもあるから………。
とりあえず那智の言う通り黙っとくことにした。
なんとなく、優介に春日のことを言うのが怖かったから…………
あたしたちはトイレを出ると前で優介と将希がいた。
「…………トイレの前で待つとかキモ。」
那智はあたしに聞こえるぐらいの小声で言う。
普通は女子トイレの前で待ち伏せなんかしないよね?
「遅いやん。
紗和、教室戻るで?」
叩かれてからの優介は前の優介とは別人みたい。
前は優しかったのに今は冷酷って言葉が相応しい。
那智はそれも愛なんだと言ってたけどあたしは違うと思う。
優介ってこんな人だったっけ?
あたしは優介に腕を引っ張られ教室に強制送還。
途中、将希と目が合ったけど将希の顔は申し訳なさそうだった。
やっぱり将希は知ってたんだね?
もっと早く気付いてれば良かった。