悲恋-HIREN-
案内された席にいたのは春日だった。
「指名ありがとうございます!!」
あたしは元気に言った。
「くっくっく。
似合ってるね。とりあえず飲み物。」
「かしこまりました。
飲み物はストレートティーでよろしいですか?」
てか春日はストレートティーしかだめだけどね。
「紗和、齊さんが呼んでるぅ。」
那智があたしの席まで来て、慌てた様子で話す。
齊さんが…………?
「わかった。後で行くから、ストレートティーお願い。」
「了解!!」
那智は急いでまた裏に行ってストレートティーを持ってきた。
「春日、文化祭どう?」
「楽しいよ。
って言ってもまだここしか来てないからなぁ。」
「一番に来てくれたんだ!!
ありがとお!!」
なんかやっぱ新鮮だなぁ。
いつも学校にいない春日がいるってすごく嬉しい。
「じゃぁ、あたし呼ばれたから少し行ってくるね?
すぐ戻ってくるから!」
「………うん。
行ってらっしゃい。」
あたしは春日に手を振り、齊さんのとこに戻った。
「齊さん、どうかしました?」
「アイちゃん、文化祭一緒に回ろうよ。」
何を急に言うかと思えば………
「あたし、回る人いるんですいません………。
齊さん、誰かいないんですか?」
齊さん、顔がいいらしいし絶対彼女いると思うんだけどなぁ。
「いないからここにいるんだよ。
ね、行こうよ。紗和ちゃん?」