あなたと出逢わなければ 【第一楽章のみ完結】
*
孝悠さんは今を生きてるんだから……。
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彼女はそう言って、俺を励ましながら……
自分自身にも言い聞かせているようにも感じた。
彼女はUNAを慕ってる。
彼女に惹かれていく俺自身を必死に制御しようとした。
だけど……俺には、もうそれが出来そうになかった。
溢れだした涙を隠すように、腕を瞼の上にまわして
涙を拭うと、そのまま彼女の方に向き直って、そっと唇を重ねた。
驚いたような表情を見せた彼女が、再び笑顔を見せてくれた時、
俺自身の凍りすぎた心が、氷解していくのを感じた。
車の中で人目も気にせず彼女を抱きしめて
その温もりを感じながら、解き放たれていく心を感じていた。