mariage~酒と肴、それから恋~《2》
一週間分の疲れを休日に持ち越さない、あたしの密かなリフレッシュタイム。


最近のお気に入りのツマミは白桃の缶詰。


瑞々しくて甘い白桃が、ワインの香りを引き立てる。

マリアージュっていうんだよね。

合わせて食べるとそれぞれの良さを引き立てるってやつ。


このワインも桃もうちの会社が仕入れている商品。

ワインはうちが専売しているフランス産。桃は国産で高級品。


社割りで買えるちょっとした贅沢。

あたしの気分も上がる。


こ~んな、甘~く、とろける…ような恋がしたぁ~い!

は~、でも無理だなぁ~って。


そうやって、淡々と日々をやり過ごしてる。


*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*


「そうだ!歓迎会しましょーよ!!今日金曜日だし!」


定時が近づいた頃、思い立ったように伊東さんが声を上げた。

「ねっ!」まず百田を見て、部署内ぐるっと見回してから、最後に百田の顔に視線を戻す。


「ああ、いいよ」

と、あっさりOK。さすが百田。

そのまま、くるっとあたしの方を向く。

「な、佐藤も行こうぜ!」
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