mariage~酒と肴、それから恋~《2》
「え…っと…あたしは…」

えー…。

金曜の夜は、あたしの楽しみの時間で……。


「佐藤もここでは新入りじゃん!歓迎されようぜ!」


それに、まっすぐ帰るつもりだったから服装適当なんだけどな…。


返事をためらっていると、伊東さんは大きな瞳をくるっと丸くして、

「佐藤さん、金曜日に用なんて彼氏でもいるんですか?いいなぁ~、あたし彼氏いなくって、金曜日なのに暇なんですよね」

と、眉毛を下げて、あからさまに百田の顔を見た。

……ソレ、百田に対するアピールだな。


「い、いや、そういう訳じゃ…」

ゴニョゴニョしてたら、百田に背中を押された。


「たいした用じゃないなら行こうぜ!決定!」


あーあ、あたしの花金が…。


急遽な呼びかけにも関わらず、部署内ほぼ参加に加えて、異動で部署を離れた人たちまで集まった。

新入りのあたしが参加しない訳にはいかない。

仕方ないか。社会人として。



「百田主任!佐藤さん!山田くん!小林さん!我が第一事業部へようこそ!!これからよろしくお願いいたします!乾杯!!」

部署内の若手男子が声を上げる。
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