mariage~酒と肴、それから恋~《2》
伊東さんセレクトのこじゃれた居酒屋で歓迎会は始まった。


「さあ、皆さん飲んで飲んで、楽しみましょう!!」

若手男子は盛り上げる。


まるで昔の百田のよう。ううん、百田はもっと上手かった。


こういう飲み会のとき、百田は、いっつも下座に座って(むしろちゃんと座ってないくらい)せわしなく幹事を努めてた。


コップ下げたり、注文取ったり、参加者全員に気を遣いまくって盛り上げて、百田は楽しめてないでしょ?って、逆にこっちが気を遣うくらい。


でも百田は、いつも楽しそうにしてた。

そういうとこスゴいなって、営業に向いてるんだなって思ってた。


さすがに主任ともなれば、せかせか世話を焼くのは周囲。

うちの花形部署だけあって、若手男子が多い。盛り上げるメンツは沢山いる。


会の主役の百田の周りは代わる代わる人が集まる。


とりわけ積極的なのが、伊東さんだ。

「百田主任、おかわり何にします?」

急な歓迎会でも完璧なお洒落だ。すごい女子力に感心。
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