mariage~酒と肴、それから恋~《2》
お帰り百田~!やるじゃん出世したね~!
ちょっと海外で揉まれて良い男になったじゃないの!
ってバンバン肩でも叩きたいところだけど。


これは女子たちの恐ろしい争奪戦が繰り広げられるんだろうなぁ(笑)

怖い怖い。

三十路超え女は下手に関わらないに限るから、堅苦しくいっとかないと。


「いえ。同期とはいえ、上司ですから。会社員として、立場を踏まえた上での対応をさせていただきます」


「ふーん、真面目だな、わかった。じゃ、佐藤。早速で悪いけど、この資料、PowerPointで良い感じにしといて。午後一のプレゼンで使うから」


「は?」

良い感じ?


「じゃ、俺、外回りしてくるから」


「外出?どこ行かれるんですか?」


「お得意先の挨拶回り。俺のデスクにスケジュール置いてる。確認しといて」


「かしこまりまし…って、ちょっ!指示それだけですか?」

両手に抱えた資料と、今まさに出て行こうとしている百田とを交互に見る。
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