mariage~酒と肴、それから恋~《2》
「佐藤のセンスに任せるよ」

次々と取り引きを成功させた完璧な営業スマイルを向見せて、颯爽と出て行く。

フットワークの軽さも、相変わらず。


「ちょっと!百田!」

どっさり渡された資料。午前中にコレやれってこと?


*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*


《4月1日より、第一事業部 主任付き営業事務を命ずる》


3月末に、いきなり、一般事務職から、営業事務職への異動を命じられた。


うちの会社の営業には、業務をサポートするために担当の営業事務が一名以上付いている。

資料作成したり、受発注管理したり、電話対応したり、来客にお茶入れたり…。


あたしが付くことになった百田は、商社マンの宿命である国内転勤と海外赴任を合計8年経て、この4月から本社勤務。


食品と酒類を専門に取り扱ううちの商社の部署の中で、酒類(主にワイン)の買い付けを行う第一事業部は、花形部署だ。

そこの主任ってことは、言わずもがな会社のエースってこと。
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