mariage~酒と肴、それから恋~《2》
あたしと百田とは共に、新卒でこの会社に入社して10年目。


百田は、好印象な見た目と、愛想とノリの良さで誰とでもすぐ仲良くなって、可愛がられて、そんなだから営業成績も良くて。

無遅刻無欠勤で、飲み会まで全力投球。


そんな仕事に対する真っ直ぐさが認められて、入社2年目で出世コースに乗って転勤して行った。


それから8年経って、誰もが羨むイイ男になって帰ってきたのだ。


*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*・゚*゚・*


「佐藤さ~ん、良かったらぁ、手伝いましょうか?」


パソコンとにらめっこするあたしに、可愛らしい女子の声がかかる。


顔を上げると、にっこり微笑む彼女は同じく第一事業部の部長代理付きの営業事務の伊東さん。

若くて可愛いけど、仕事しないって有名な。

週末は定時に上がって合コン三昧って噂の伊東さんだ。(ま、あたしにもちょっとそういう時期はあったから、良いとして。)
< 5 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop