mariage~酒と肴、それから恋~《2》
伊東さんてば、可愛いけど派手なアイメイク。…それは良いとして、足元!会社にこんなヒール履いてきて、仕事する気あんの?!

いやでも、ミニスカートからスラッと伸びる足、キレイでいいな~。


「ちょっとちょっと~、伊東ちゃんはこっちでやることあるでしょ?」

部長代理が、伊東さんを呼ぶ。


「部長代理には、あたしの他にも事務付いてるじゃないですかぁ。佐藤さんは一人で百田主任に付いてるでしょ?こんなにたくさん大変かなって」

しれっと可愛く従わない伊東さんに、部長代理は困り顔。もて余してるんだなぁ~。


「佐藤さん。同じ第一事業部事務員として、いつでも助け合いましょ」

伊東さんは、満面の笑みをあたしに向けた。


百田狙ってんの丸わかり。

心なしか他の女子たちもこちらの様子を伺っているように思える。


第一事業部の事務員は、見渡す限り20代で占められている。

異動前にいた第三事業部はまだ年齢層高めだったけど、こっちは華やか過ぎ。
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