mariage~酒と肴、それから恋~《2》
偉そうにしたり、かっこつけたりしないところも変わらない。

な~んか懐かしいなこういう感じ。


「それよりも、百田主任。資料作成できたので、確認してもらえますか?」


「まじで?早!!」

百田は驚きながら勢いよくパソコンの画面を覗き込んできた。

あたしの背もたれとデスクに手をつく格好。

近…

さりげな~く、体の位置を離す。


パソコンに向けられた真剣な横顔とマウスに添えられた指。

妙に男の色気を感じて、思わず見てしまったものの、目のやり場に困るわ。


しばらくして、真剣な面持ちから、フッと目元と口元がゆるんだかと思ったら、こっちを向いてパッと笑顔の花が咲いた。


「スゴい良いじゃん!」


「覚えてらっしゃらないかと思いますが、私、パソコン得意ですから」


「覚えてるよ!見やすいし、要点がすぐ解る。やっぱ佐藤はさすがだな」


「それはどうも。お褒めいただき事務員冥利につきます」


「さすがは俺の師匠だ!ありがとな。これから頼りにしてるよ」
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