意地悪上司に求愛されています。(原題 レア系女史の恋愛図鑑)
3 読めない男
それにしても、あの日のクラシックコンサートは最高に良かった。
最初は渋々と私に着いてきた木島だったが、どんよりと暗かった表情が一点。
何か面白いものでも見つけたように輝きだしたのだ。
そのときの私は「元気になったのなら、なにより」そんなふうに考えていたのだが、そんな悠長なことを現在では言っていられなくなった。
どうやらクラシックコンサートを聴きにいった日からなのだ、この木島という男が私にちょっかいを出し始めたのは。
木島は海外事業部の課長である。それも基点はNY。
日本とNYの行き来だけでも忙しいはずだ。それなのに、この男は日本に戻ってくるたびに理由もなく私の顔を見に来る。
木島が片瀬さんに振られてから早半年が経った。
初めは失恋のショックで頭がいかれてしまったのだろうかと、本気で心配していたのだが……
正気ではないとしても、この木島という男。厄介だ。本当に厄介だ。
全くもって読めないのだから対策のしようもない。
片瀬さんはこの男に掴まらなくて本当に良かったと思う。だが、彼女の場合、旦那になった藤沢氏も厄介な男なので、どっちもどっちといった感じか。
最初は渋々と私に着いてきた木島だったが、どんよりと暗かった表情が一点。
何か面白いものでも見つけたように輝きだしたのだ。
そのときの私は「元気になったのなら、なにより」そんなふうに考えていたのだが、そんな悠長なことを現在では言っていられなくなった。
どうやらクラシックコンサートを聴きにいった日からなのだ、この木島という男が私にちょっかいを出し始めたのは。
木島は海外事業部の課長である。それも基点はNY。
日本とNYの行き来だけでも忙しいはずだ。それなのに、この男は日本に戻ってくるたびに理由もなく私の顔を見に来る。
木島が片瀬さんに振られてから早半年が経った。
初めは失恋のショックで頭がいかれてしまったのだろうかと、本気で心配していたのだが……
正気ではないとしても、この木島という男。厄介だ。本当に厄介だ。
全くもって読めないのだから対策のしようもない。
片瀬さんはこの男に掴まらなくて本当に良かったと思う。だが、彼女の場合、旦那になった藤沢氏も厄介な男なので、どっちもどっちといった感じか。