Cherry Tree -君と、ずっと-
Prolog
「 なに、やってんの?」
『 うわあああぁ!!!』
「 うわぁ、桜の絵じゃん。上手いね」
びっくりした。いきなり声をかけられたから。
『 み、見ないで!!!』
私は慌ててスケッチブックを自分の胸に押し当てた。
「 なんで?いいじゃん。ねぇ、それ完成したら俺にちょーだい!」
『 ・・・は、はぁ?・・・・・・べつに、いいけど・・・』
「 絶対約束だよ!破ったら針千本だからね!!」
そう言いながらその男の子は、ポケットから小さな包みを取り出した。
「 はい、俺もあげる!」
男の子が差し出したそれは、桜の花の押し花が挟められていたしおりだった。
「 俺ね、桜の花が大好きなんだ!桜の花は春の間しか咲かないけど、こうしとけば1年中見ることができるでしょ?」
男の子はすごく嬉しそうに話してくれた。
あぁ、本当に桜の花が好きなんだろうなぁ。
「 あ、俺もう行かなきゃ!じゃ、桜の絵楽しみにしてるから。ばいばい!」
『 ・・・え、ちょっとまっ..!!』
言い終わらない間に、男の子は走り去ってしまった。
私は約束したとおりに、桜の絵を完成させてその場所に行った。
・・・でも、男の子は全然来る気配もなかった。
次の日も、その次の日も、ずっとずっと待ってたけど…
男の子は一度も姿を現すことがなかった。
『 うわあああぁ!!!』
「 うわぁ、桜の絵じゃん。上手いね」
びっくりした。いきなり声をかけられたから。
『 み、見ないで!!!』
私は慌ててスケッチブックを自分の胸に押し当てた。
「 なんで?いいじゃん。ねぇ、それ完成したら俺にちょーだい!」
『 ・・・は、はぁ?・・・・・・べつに、いいけど・・・』
「 絶対約束だよ!破ったら針千本だからね!!」
そう言いながらその男の子は、ポケットから小さな包みを取り出した。
「 はい、俺もあげる!」
男の子が差し出したそれは、桜の花の押し花が挟められていたしおりだった。
「 俺ね、桜の花が大好きなんだ!桜の花は春の間しか咲かないけど、こうしとけば1年中見ることができるでしょ?」
男の子はすごく嬉しそうに話してくれた。
あぁ、本当に桜の花が好きなんだろうなぁ。
「 あ、俺もう行かなきゃ!じゃ、桜の絵楽しみにしてるから。ばいばい!」
『 ・・・え、ちょっとまっ..!!』
言い終わらない間に、男の子は走り去ってしまった。
私は約束したとおりに、桜の絵を完成させてその場所に行った。
・・・でも、男の子は全然来る気配もなかった。
次の日も、その次の日も、ずっとずっと待ってたけど…
男の子は一度も姿を現すことがなかった。