命の火
*
そう言って笑ったのは私の妹だった。
妹は生まれつき心臓の穴が他人より少しずれていた。
幼い頃から病院に足繁く通っていたのだが、今はだいぶ良くなったらしく家で家族と共に過ごす時間が増えた。
それでも絶対安静なのは変わらず
「ねぇ、ルツ」
『なに?』
ベッドに横たわった彼女の横に腰掛ける。
今日はいつもより調子がいいらしく顔色がいい。
「猫の命ってね、9つもあるらしいのよ。」
『そうなのか。』
「すごいわよね、そんなにたくさんあるなんて。」
楽しそうに話す彼女に相づちをうつ。
このなにげない時間が私は好きだ。
「そういえばあの子は」
上体を起こそうとしたので注意すれば、あら大丈夫よ今日は調子いいんだから、と返される。
よいしょー、とベッドの柵にもたれかかって
「最近見ないわね。」
その目はベッド脇の窓の外に向かっていて、何かを探しているようでキョロキョロとよく動く。
「前はあんなに見かけたのにね。元気かしら。」
妹は生まれつき心臓の穴が他人より少しずれていた。
幼い頃から病院に足繁く通っていたのだが、今はだいぶ良くなったらしく家で家族と共に過ごす時間が増えた。
それでも絶対安静なのは変わらず
「ねぇ、ルツ」
『なに?』
ベッドに横たわった彼女の横に腰掛ける。
今日はいつもより調子がいいらしく顔色がいい。
「猫の命ってね、9つもあるらしいのよ。」
『そうなのか。』
「すごいわよね、そんなにたくさんあるなんて。」
楽しそうに話す彼女に相づちをうつ。
このなにげない時間が私は好きだ。
「そういえばあの子は」
上体を起こそうとしたので注意すれば、あら大丈夫よ今日は調子いいんだから、と返される。
よいしょー、とベッドの柵にもたれかかって
「最近見ないわね。」
その目はベッド脇の窓の外に向かっていて、何かを探しているようでキョロキョロとよく動く。
「前はあんなに見かけたのにね。元気かしら。」