沈黙の境界線
弱者
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数日にわたるモカとのやり取りで少しだけ彼の事を知った気がした。
彼はいつも小さな赤ん坊のように自分を守ってくれる者を求めているようだった。
それは一つ一つの言葉に必ず紛れて見栄隠れしている。
「ラテ、君もいつか俺を見捨てるの?」
「俺は産まれながらに一人なんだ。」
彼は自分の中のか孤独を隠すことなくさらけだしているかと思えば
「孤独は楽だ」
「誰かと関わるのが苦痛でたまらない。」
などと言ったりもする。
最初は彼のそんな言葉も、よくありがちな言葉だと思い
見流していたりもした。
私の中で彼がどんな風に孤独を語っていても、彼は私と違い、ごく普通の生活をしているように見えたから・・・
彼の学校での話しは平凡に、当たり障りない小さな愚直話の一つのように思えたから。