沈黙の境界線


だからこそ、私は初めて自分からあの日の事件の事を他人に打ち明けた。



それはモカが相手だったからそうすることができたのかもしれない。






初めて誰かに打ち明けたいと・・・衝動的に感じてキーボードを打っていた。




私には自信があったんだ。



モカなら私のこの痛みを


受け止めてくれる。って...。



それはやはり、間違いではなくてモカは驚くようすもなく


私を包み込むように受け止めてくれた。




「大丈夫。君の痛みは俺の痛み。この世界で君の痛みを感じて理解できるのはこの世界に俺しかいない。

俺だけは君を裏切らないよ。

君が俺を裏切らないように

俺だけは君を傷つけない。

裏切らない。」





パソコン画面に浮かぶモカの言葉は

母親や父親の言葉のなん百倍も

私の心に触れてくれた。




優しく


優しく



まるで繊細な壊れ物を扱うような優しさが


そこにはあった。






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