沈黙の境界線
友人
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その日を境に私たちは時折、私の家で顔を会わせるようになった。
あれ以来やっぱり、一人ではまだ出歩けない私も、モカか来る日だけは玄関の前に出るようになった。
「でも、モカがあの有名な私立校の生徒だとは思わなかった。
相当、頭がいいんだろうね?」
「さあ、どうだろ・・・」
紅茶をすすりながら苦笑いを浮かべるモカは、自分から話す事以外は、あまり自分の事を聞かれたくない様子なのが分かる。
パソコンのやりとりでは、虐待を匂わすような話をしていたけれど、身なりもいつもきちんとしていて、育ちのよさが滲みでるその、様子からはそんなこと、想像もできない。
知らない人からみたら、彼は育ちの良い金持ちの家の息子のように思えるに違いない。