沈黙の境界線
「ラテは・・・自分がなんのために生まれてきたのか考えたりしたことはある?」
床に座り、ぼんやり天井を見つめながら呟くその横顔を、私はいつものようにパソコンチェアに腰を掛けながら見つめていた。
「そんな難しいことを考えた事はないかもしれない。
けど・・・」
そのまま言葉を失った私を恭吾は不思議そうに見つめた。
けど、もしかしたらこうして、恭吾に会うために生まれてきたのかもしれない。なんて言ったら
恭吾は嫌な顔をするかもしれないから
続きが言えなかった。
「俺は・・・いつもそんな疑問ばかり頭の中に浮かんで
寝る前なんか恐くて、眠れない時もある。」
体育座りで体を小さく丸めた彼が、とても小さくて弱々しい生き物として私に映るから
私まで心細くなる。