沈黙の境界線

「私にできることがあったら言って。

・・・どこまで私が恭吾の手助けをできるのか分からないけれど」



不安もある私の表情を見て、この頬をその手で包んだ彼は私の目を捕らえて優しく頬笑む。



「ラテはただ、こうして俺のそばにいてくれればいい。

俺がこれから起こす事も、知らないふりをして、俺を見捨てないで、ただ、今まで通りそばにいて。」




彼がこれから何を起こそうとしているのか

その時の私は知らなくて

それでも

彼が何をしようとしていても

そばにいたい。

その気持ちだけは変わらない。



「知らないふりと言っても

私は恭吾がなにをするのか知らないよ？

それでも、それでちゃんと私は恭吾を助けられるの？」



「・・・助ける？」

そう独り言のように呟いた恭吾は、しばらく困ったような顔をして黙りこむ。