沈黙の境界線
「俺たちを傷つける全ての奴等に復讐をする。」
恭吾からのメールに目を見開き
さっきのニュースがすぐに頭に浮かんだ。
まさかあの講師を襲ったのは恭吾かもしれない。
そう思った時
夏休み
恭吾との会話が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。
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「絶対、うちのお母さんあの先生と浮気してるんだ。
私がこうして家にいるようになって最初の頃は外出することもなくなっていたけど、最近またよく出掛けるようになって、家の前にたまにあの先生の車が停まってる」
「ラテは、それで傷ついてるの?」
私の気持ちを確認するように聞いた彼に
「許せないよ」
そう答えていた私がいた。
でも
どうして?
恭吾からのメールを見ながらただの偶然であって欲しいと
思いながら
私は以前、恭吾に言われた「知らないふりをしていて」
その言葉を思い出していた。