沈黙の境界線
恭吾が犯人であって欲しくない。
そう思いながら
確認することが恐かった。
恭吾の無機質で冷たい眼差し。
「会いたい」
不安で送ったメールに
返事はなかった。
ない代わりに
数日後
塾の講師を襲った犯人が捕まったと報道された。
犯人は未成年
その塾に通う16歳の少年
その内容に少しの安心を覚えながら
それでも
その報道に明らかに違和感を感じている私がいた。
講師が教われた日の恭吾からのメール。
タイミングが良すぎる。
胸騒ぎをなんとか抑えながら
何度も恭吾に電話をしても電源がはいっていなくて繋がらない。