沈黙の境界線
深夜を過ぎても眠れない夜
この復讐を企てているのが恭吾かもしれないと、考えれば考えるほど
不安で眠れない。
そんな時
「会いたい。外にでてきて。」
突然届いた恭吾からのメールに慌てて部屋の窓から外を覗くと
向かいの家の塀にもたれるように佇んでいる人影を見つけて
慌てて外に飛び出すと
黒いパーカーのフードを被って、ひどくやつれた姿の恭吾を見つけた。
「恭吾っ⁉」
駆け寄る私をそのままきつく抱き寄せると
今にも消え入りそうな声で耳元で小さく「会いたかった・・・」そう囁いた。
その声に
言葉に
ずっと我慢していた涙がぼろぼろ溢れてきて、彼のパーカーを濡らしていく。
「今までどこで何をしていたのよっ⁉」
責めるように聞いた私を、何も言わずにまた強く抱き締める。