沈黙の境界線
裏切りと救済
外に出ることが恐いとか
もうそんなことは忘れていた。
彼がなぜ
私に居場所を教えてきたのか
その真実はただ1つ。
彼は私にこれから起こる
起こす惨劇を止めて欲しいと
思ったに違いない。
恭吾が私に初めて送ったSOS
思い違いであったとしても
この胸の内に確信している気持ちと向き合った時
彼が講師を襲った犯人だと言うことは気付いていた。
そしてまた、彼は大きな罪を犯そうとしている。
止めなければならない。
恭吾を事件の被害者にも加害者にもしてはいけない。
させるわけには行かない。
好きだから
彼を好きだから
止めなきゃいけない。