恋した人は、漫画の住人
「うい~す、ただいま帰りやしたー」

「「・・・」」

 ドアを開け入って来たのは私の兄 龍次(通称 龍)だった。20歳超えても、こんな口調をしている。ほんとに仕事上手くいってんのかな?

「お~如何しったの?春ちゃん?」

「お、お帰り龍・・・」

 私は兄の事を「お兄ちゃん」や「兄さん」とか呼ばない。「龍」と小さいことから呼んでいる。それに対し龍は、

「あ~お兄ちゃんに向かってそれは無いんじゃないの?せめて“龍お兄ちゃま”とかさァ~」

 龍は私に抱き付きながらそんなキモイ事を言った。登美子さんが言うには私は龍がこんな感じの時は凄く毒舌らしい。

「あ゛~もう!!邪魔だボケ!しつけーんだよ!!離れろ!ぶん投げるぞ!!!」

 も~毒舌に入ったらしい。自分じゃ分からないけど・・・

「春ちゃん、殴っちゃダメよ?」

「大丈夫です。登美子さん琉璃ちゃんに背負い投げ教えてもらいました。殴るんじゃありませんから。」

「そうね、ならいいわ。」

 登美子さんはにっこりと笑って許可をくれた。

「えっ、登美子さーん!!許しちゃっていいの?許しちゃっていいの?俺どうなんの?」

「大丈夫だよvV殺さないから安心して♪」

「ちょ、春ちゃん?顔笑ってるけど、声笑ってないよ?」
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