恋した人は、漫画の住人
「兎に角、ここに座って。」

 私達は彼女、麗華の指示に従い椅子に座った。

「お兄さんの、龍次君も着てくれたんですね。丁度良かった。登美子さんから、外国に行っているって聞いたものだから、諦めていたんですけど。」

 麗華は、紅茶を入れながら言った。

「えっ、俺も?」

「ええ、だからとっても良かったわ。」

 麗華は、紅茶を盆に載せて私達の目の前にsる机に置いた。

「あの、私達には何のようで?」

「・・・お二人とも、両親は亡くしてらっしゃいますよね。」

「・・・はい、八年前に事故で。」

「その事なんですけど・・・私は貴方達の両親の死を事故死とは思っていないの。」

「!!?」

「何故、そう思うんですか!?」

 今度は私じゃなく龍が麗華に飛び掛る勢いで言った。

「龍何か知ってるの?」

龍が何かを必死に隠すような言い方だったので私は龍に問いかけた。

「・・・何も。」

 龍の返事はいつもとは違う感じだった。何だか何かを押し殺すような感じだった。
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