恋した人は、漫画の住人
「それでは話を元に戻させていただきます。私が如何してお二人の死が事故ではないと思うのは・・・私の勘でもあるし、もう一つ不自然な点があるの。」

「不自然な点？」

「えぇ、お二人が死んだ原因はガス爆発事故とされています。でも、その爆発した工場はガス工場じゃないの、発電所なのよ。」

「発電所？」

「発電所だって何らかのガスで爆発したのかも知れませんよ！！」

「龍少し黙ってて・・・」

「・・・」

　龍がこんなに感情を動かしたところは始めてみた。何時もの龍ならありえないほど感情が表情に出てしまっている。

「龍なんでさっきから、お父さんとお母さんの死のことについて否定ばかりするの？」

「・・・」

「龍・・・」

「お兄さんは少し興奮しているんだと思います。少し落ち着きましょう。」

「・・はい。」

　龍の小さく答えた。数時間たっただろうか、龍は落ち着いてきた。

「では、お兄さんも落ち着いたようですし、話を再開させていいですか？」

「龍、大丈夫？」

「うん・・・」

　麗華はゆっくりと話を再開した。
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表紙・目次

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