恋した人は、漫画の住人
 菓子パンで元気を取り戻し、午後の授業は確りと集中できたし頭にも確り入った。
 そして、元気いっぱいなのはいいんだけど、まだ一つだけ問題が残っていた。
 私の部屋で寝ている青年だ。
 生きているけど死んでるみたいに静かに眠ってる。でも、彼が起きたら、問題は沢山ある。彼が動揺して暴れないかどうか。漫画でも、彼は凶悪だから気をつけないといけない。彼が起きたらそれなりの覚悟が必要だ。

「春ちゃん?大丈夫?」

「えっ?」

 気付くと琉璃ちゃんが心配しながら私を見ていた。

「何ボーっとしてんのよ。もう授業終わってるわ。さっさと寮に戻るわよ。」

 麻ちゃんが呆れた目をしながら、私に言い放った。

「御免ね。待ってってもらっちゃって。」

「春ちゃん、元気で良かった。」

 琉璃ちゃんが涙目で言った。ホントに涙もろいんだから。

「分かればいいの。早く行こ。」

 麻ちゃんが笑って言った。
 私達はゆっくりと寮へ帰って、各部屋に入っていった。
 私の部屋は寮部屋の一番端にあって、隣は琉璃ちゃんの部屋で、麻ちゃんはそのもう一つ隣。
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