恋した人は、漫画の住人
「大松さーん。起きてますかー?」

 ドアを開けながら、そう囁く様に言った。
 でも、やっぱり起きていない様だ。私は、少し安心して部屋に入った。

「何時まで寝てんのよ。」

 何時まで経っても起きない大松晋也に苛立ちが芽生えてきた。

「やっぱり病院いったほうがいいのかな?」

 ・・・いいかも知れない。

「私、一人の力じゃ無理だし。」

 ・・・・・・・・・・・・・如何しよう。

「まっ気にしない。気にしない。」

 私は、気にせず机に向かった。

「・・・いや、気にしろよ。」

「えっ?」

 聞きなれない声が部屋に響いた。
 もしかして、と思って後ろを見た。
 其処には、上半身だけ起こした姿の大松晋也が起きていた。

「・・・っ!!!????」

「・・・そこまで、驚くこたぁねぇだろ。」

「あ、あああああ、あんた何時から起きてたの!!??」

「そうさなぁー・・・お前が小さくなんか言って入ってきたとこぐれぇから。」

「殆ど、最初っからじゃないか!!」

「まぁ・・・そうなるな。」

「・・・・・・。」

 何でこんなに落ち着いてんの?

「騒いだって、しゃーねーからな。」

「・・・!!」

 心を読んだ?

「いや、全部口に出してるぜ。」

「マジで・・・?」

「マジで。」
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