恋した人は、漫画の住人
「それしかねぇだろ。実際俺見たし。」

「・・・やっぱりあるんだね。そんな事。」

「そーみてぇだな。」

「ねぇ、大松さん。」

「晋也」

「へ?」

「晋也でいい。長い間世話になりそうだし。」

「じゃあ、此処にいるの?」

「仕方ねぇからな。で、さっき何を聞こうとしてたんだ?」

「え・・・・その、晋也・・・さんは凶悪って聞いたのに何だか、呑気だなぁって」

「ああ、お前もしかしてスピリットナイトの漫画持ってんのか?」

「え?はい。全巻持ってます。」

「ありがとな。全然人気ねぇ漫画だからな。誰も知らねぇと思ってた。」

「い、いえ。私この漫画大好きです。」

「また。買ってくれな。」

 晋也は寂しそうに言った。

「で、私の質問・・・・・・は?」

「ぁあ?ああ、あれな。設定だから仕方ないんじゃねぇのか?」

「設定・・・ですか?」

「ああ、設定だ。でも、俺の性格はあんま変わんねぇけどな。」

「じゃあ、やっぱり凶悪・・・」

「まぁ、俺がキレないようにすれば大丈夫だろ。だから、俺にあんま構うな。」

「でも、その服じゃあ。」
< 60 / 68 >

この作品をシェア

pagetop