いけない!?同居生活
「触れられるの、苦手なのにごめんなさい。でも、春さん寂しそうに、悲しそうに見えたから・・・」
「さっちゃん・・・」
「隠さないでください。私、なにを聞いても全部忘れます。なにを見ても、見なかったことにしますから。一人で、悲しまないでください」
春さんの心。
少しでも触れたいと願う。
それでも、春さんは壊れてしまいそうで。
どこまで触れていいのか。
どこまで踏み込んでいいのか。
「さっちゃんといると、どうしてかしら。すごく落ち着くの」
春さんの手が、ぎこちなく私の背中に回される。
少しだけ震えるその手。
「女なんて、嫌いだったはず。それは今でも変わらないのに。あなたの事は、最初からなぜか受け入れられたのよ」
「春さん・・・」
「一つ、昔話をしてもいい?」