いけない!?同居生活
身動き一つとれずに。
起きている事態が呑み込めず。
ただ、触れている唇が柔らかい、だとか。
春さんの匂いがいい匂い、だとか。
目を伏せた春さんのまつ毛が長い、だとか。
おかしなことを考えた。
惜しむように離れた唇。
「シャワー、先もらうね」
春さんは、ただ一言そう言うとなにもなかったように奥へ進む。
取り残された私だけ。
まるで時が止まったように立ちすくんでた。
でも、トキが止まったわけじゃない。
そのことは、煩いくらいに高鳴る鼓動でわかってた。
今の、キスは、いったい―――――?