いけない!?同居生活


「美味しそうね。いつもありがとう」

「いえ。押し付けがましくてすみません」

「ううん。最近は、なんだか喜んで食べてるのよ」

「本当ですか?嬉しいです」



その時、玄関のチャイムが鳴る音がした。
春さんが立ちあがり玄関に向かう。


春さんちを尋ねてくる人って、あまりいない。
倖也さんか、時々誠さんくらい。



だからもしかしたら、なんて思ってたらすぐにその声は聞こえた。




「はー?なんだよ、今日仕事かよ」

「だからいつも連絡してから来いって言ってんのに」

「めんどーじゃん。まぁ、この時間は大抵いるしいいんだよ」



その声は、案の定倖也さんのもの。
倖也さんはオートロックを外す鍵の合鍵を持っている。
春さんが、体調を崩したりするときに来れるように、と以前聞いたことがある。


でも、本当は恋人だからって理由なんだろうな。


そう考えて、ズキンと胸が痛んだ。



これは、重症だ。



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