いけない!?同居生活


――これ、この部屋の合鍵。あたし今日も仕事だから、あなたが帰ってくるころにはもういないと思うから、適当になにしてくれてもいいから




職場のお昼休み、春さんに渡された合鍵を見つめながらコンビニで買ったお弁当を食べる。
まさか、こんな事になるなんて。


春さんに、感謝だ。
ここまでよくしてくれるなんて。


私は本当にいい人に出会った。



人生のどん底に出会った女神だわ。




「なにそれ」

「んぐ」

「ちょっと、大丈夫?」



不意に綾乃に覗きこまれ驚きに咳き込んだ。




「けほ、ごめん。びっくりして」

「なにを真剣に見つめてんのかと思った。鍵?」

「あ、うん。ごめん。なんでもないんだ」




まさかアパートが全焼して初対面の人のマンションにお世話になってる、なんて言えないよね。



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