いけない!?同居生活


春さんのマンションは、中も相当驚いたけど、外に出て本当に驚いた。
超高層マンション。
しかも、最上階だったのよ。
景色からして高層階なのはなんとなくわかってたけど。


春さんって、本当に相当のお金持ちなのかも。




「そう言えば、実質今日までって?」

「あ、うん。有給使っちゃおうと思って」

「そっか。それがいいよ。最後まで頑張る義理なんてないしねー」

「あはは」




義理、か。
新卒から今まで頑張ってきたはずなんだけどな。

自分が持ってた仕事を引き継いでいざ、もう自分はここに必要ない人間になったんだって思ったら、なんだか虚しくなってくる。



私がいなくなっても、ここの人たちはきっと困ることなんてなくて。
名残惜しむこともなく当たり前に日常が進んでいくんだ。



別に、泣いてほしいとか。
惜しんでほしいとかそんなことはもう考えたりしないけど。




「今度さ、飲み行こうよ」

「そうだね。送別会でもしてくれるの?」

「もち。私のおごりよ」

「やった」




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