いけない!?同居生活
二人の年越し
「沙紀―――」
縋り付くように抱きついた春さん。
春さんの身体は震えていて。
胸が痛くなった。
「春さん、ただいま」
そう言って春さんの身体を抱きしめた。
縋ってくれるのが嬉しいだなんて、ひどい話かもしれない。
それでも。
必要としてくれてるのが嬉しくて。
しばらく抱き合っていた後、少し気まずそうに身体を離した春さん。
「・・・ごめん」
「年越しそば、食べませんか?」
気がまぎれるように、私はそう言って笑った。